スーパームーンとスーパーマン

TOP > まりコラム > スーパームーンとスーパーマン

 前略

 四月に入り桜満開の中、今年度も始まりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。本当の春はまだ遠いようですが、今年ご入学された方々、改めておめでとうございます。この場をお借りしてお祝い申し上げます!フレッシュな若いパワーで頑張ってほしいです!

 こんな気持ちがいい春の気候とは裏腹に世間は日に日に危機に追い込まれている感じがします。当院でも感染対策を強化するため、防護服着脱訓練をしたり、1マウス1スプレーとパソコンを触るたびにアルコール消毒、人の手が触れるドアノブ、自動販売機ボタン、エレベーターボタン、受話器、パソコンキーボード、、、その他あらゆるところを頻回に消毒、換気も頻回に行っています。またジアイーノは元々当院には多数設置していましたが、1月から更に追加購入し今では20台近くあります(まだ納品されていないものもありますが)。”先生、ジアイーノの水替えが大変です!”と言われたりもしますが(笑)。また私はフェイスシールドはもはや市場にはないと思っており、自分で作れないかと文房具店に行き、セロファン紙を購入し、これで作るぞ!と張り切ったら薄過ぎて全く作れなくて、、、”先生、それって普通にネットで売ってますよ”と横からあっさりとスタッフから言われ、、結局ネットで購入したり、、(苦笑)、そして"それを買う人はこんなものも見ています"というものまで結局ネット販売の営業にまんまとはまって悪戯に浪費したり、、、と、無駄使いが嫌いな私もこのような状況にさせられています...。

 そんな中昨日はスーパームーンでしたね。月と地球が一番近い日でした!いつもよりかなり大きなオレンジ色の月...。星に願いを、ではなく月に願いを...と今は世界中の人が新型コロナウイルスの終息を祈っているのではないでしょうか。

 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出し月かも

717年遣唐使に同行して唐へ留学された阿倍仲麻呂の歌です。かなりの勉強家で唐の皇帝に認められたため、なかなか日本へ帰国が許されず、56歳になってやっと帰国が認められた時の歌です(結局は船が遭難し帰国は出来ませんでした)。

“広々とした空を仰いで見ると春日にある三笠山に出ていた月なのだなあ...この月も我が母国の月と同じなんでしょうね...”とやっと日本に帰れる嬉しさを歌ったものと思います。

昨日もしかしたら世界の何処かで日本に帰りたくても帰れない人々や、早く元の世界に戻ってほしいと平和な世界を祈る人々が同じように月を見ていたかもしれませんね。

それにしても、昔の人たちは改めて“凄い”です。歴史を振り返ると、ずーっと昔から人類はききんや疫病、災害などに悩まされていました。勿論、昔はテレビもラジオも電話も天気予報も自動車もましてやインターネットなど無い時代です。勿論極暖ヒートテックもありません(笑)。そんな中で中国などから文化を取り入れて医療やその他たくさんのことを発展させてきました。本当に半端ない体力と精神力と思います。はっきり言って今風に言えば"神ってる"いや本当に"スーパーマン"と思います。こんな状況になり、昔の人たちにはどうあがいても勝てないなと改めて思います。

でもこれまでの偉人たちは自分たちの力、知恵、協力で乗り越えてきています。

歴史は繰り返します。世界中のみんなが一丸となってスーパーマンになれたらと思います。

そしていつか、”無駄にセロファン紙を買ったな”と笑い話に変わる日までみんなと一緒に耐えたいと思います。

くれぐれもご自愛ください。

                                  M.M