いつもの夏

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 前略

 梅雨も明けるどころか、線状降水帯というこれまで聞いたこともないような天候で、毎日災害とウイルスと戦わないといけない日々の方々が本当に沢山おられることと思います。

このたび、観測史上最多の雨量の災害による被災者の方々には心よりお見舞い申し上げます。

 萩市は今日は梅雨の間の”盛夏というよりは清夏”というような気候でとても清々しい一日になりそうです。そんな今朝、動物博士の(笑)主人が”セミの鳴き声がする”とポツリと一言。息子を見送る時に聞こえるクマゼミの鳴き声を聞き、”あー夏が来た、夏休みが来たー!”という気分になりました。毎年クマゼミは私たちに本番の夏の幕開けをしてくれます。家の前の木々からクマゼミの合唱が聴こえるその景色は、”紛れもなく、いつもの、毎年の変わらぬ日本の夏”でした。でも、このコロナ禍、両手を挙げていつもの夏を喜ぶというわけにはいかないのが寂しいですね。夏休みは子供とここへ行こう、旅行しよう!そんな普通にワクワクすることがどんなに幸せなことかを噛みしめながら夏の空気を吸い込みました。

 最近というか、ここ数年というか、よく思うのですが、あらゆることが進化し、私の生まれた昭和からも考えられない時代に発展したな...と思いますが、自然災害やウイルスの前では何十年も何百年も何千年も前からと基本は変わらず私たち人間は無力だな...と。

 いろんなことが発展し、例えば代表的なものが、SNSですが、確かにかなり便利になりました。誰かと連絡を取り合うことも容易になり、犯罪防止のためにも有用だったりもします。しかし反面、犯罪のお膳立てをしているような気もするような...。IT関係、家電製品、医療現場の機器、道具、自動車....などあらゆる発展は目まぐるしいです。通常の日常生活を送るレベルでの文明の進化は今がマックスでプラトーなような気がするし、それでいいのではないかとも思います。また専門分野では別の話かもしれませんが、日常生活では十分過ぎるというくらい便利な世の中になっています。 

そんな今でもウイルスや災害などの前では太刀打ちできないのが現状です。そう考えると、今必要となるような技術の発展・進化は、例えば災害時に逃げれるタケコプターとか災害が起こりそうになった村全体を囲って守る映画で出てくるバリアのようなものとか、ウイルス検知器のような眼鏡をかけるとウイルスが見えてよけることが出来るような、そんなドラえもん並みの画期的な進化のレベルとなってしまいます。でもそれはどうあがいても、この世の中ではまだまだ夢物語であり、机上の空論に過ぎません...。結局、あらゆることを発展させてきた現代社会でも自然の前ではまだまだ人間たちは無力であり、それならば腹をくくって、無力なりに生きていく、普通に対応していくということが大事になっていくと思います。これ以上やたらめったらとお金をかけて日常に進化ばかりを求めなくても、これまでの大切なことを原点回帰する時なのではないでしょうか?

災害対策は今も昔も同様、その土地の住民たちの考えをよく聞いて対策を普通に行い、ウイルス対策は普通に人にうつさないように、うつらないように各個人が心がけることと思います。昔から言われている普通にすること、って一番大事なんじゃないかなと思います。海洋プラスチックごみの問題でレジ袋が有料となりましたが、これも普通に人間がマナーをもってごみを捨てなければこんなことにもならず、普通に道路を運転していたらドライブレコーダーというものも必要はなかったのではないかと思います。

あらゆることがどんなに発展・進化しても、何よりも一人一人のごく”普通の”心がけが一番大事なんじゃないかとつくづくと思う今日この頃です。

何を言いたいかわからないコラムとなってしまいましたが...すみません。

息子を見送りながら、来年も、再来年も、クマゼミが鳴く普通の本場の夏の訪れを願う朝でした。

皆様もウイルス、災害、そして熱中症などくれぐれも気を付けてください。

そして”いつもの夏”を楽しんでください。

                                     M.M